社会、社交不安障害(SAD)

社会・社交不安障害(SAD)とは

社会・社交不安障害(SAD)とは社会・社交不安障害(SAD)とは、不安障害の一種で、人に注目されるような局面で失敗して恥をかいてしまうことに対する不安や緊張が、人前で何かをすることが苦痛になるほど強くなり、人前に出ることを避けてしまう病気です。適切な治療で症状は改善するため、気になる症状がある方は受診しましょう。

社会・社交不安障害(SAD)
の原因

社会・社交不安障害(SAD)の原因は明らかになっていませんが、近年の研究では、脳内の神経伝達物質のセロトニンとドーパミンが大きく関与していると考えられています。また、感情を司る脳の部位の偏桃体(脳の側頭葉内側にある複数の神経核群)にも関係があると考えられています。また、過去の人前で失敗したなどの経験も発症に影響しているとされています。

社会・社交不安障害(SAD)が多い年代・性別

社会・社交不安障害(SAD)は、小児期にもみられることがありますが、10代半ばでの発症が多く、25歳以上での発症は少ないとされています。特定の出来事などで強いストレスを受けたり、恥ずかしい思いをしたときに突然発症することもあります。気づかないうちに徐々に発症することもあります。社会・社交不安障害は男性よりも女性に多く見られるとされています。

社会・社交不安障害(SAD)
の頻度

欧米の統計結果によると、7人に1人程度の割合で、一生のどこかで社会・社交不安障害になるとされており、非常に多い障害であると言えます。

社会・社交不安障害(SAD)に
伴う病気

社会・社交不安障害(SAD)の方は、社会・社交不安障害に伴い、以下の精神疾患になる可能性が高くなります。

  • 気分障害(好きなことへの興味関心の薄れ、罪悪感や絶望感に苛まれるなどの症状が何度も現れ慢性化する)
  • 全般性不安障害(日常的に漠然と不安を持ち続ける
  • パニック障害(突然理由もなくパニック発作が生じる)
  • 強迫性障害(不都合なことを、自分でも不都合だとわかりながら繰り返す)
  • パーソナリティ障害(他者と違う意見を持つことで苦しむことを繰り返す)
  • アルコール依存症(アルコール飲用することで不安が軽減する)

これらの精神疾患は、社会・社交不安障害と同様の原因をもつために起こりやすいとされています。

社会・社交不安障害(SAD)
の症状

  • 大勢の人の集まる場所に対し非常に強く緊張する
  • 人の前に出るのに恐怖を感じる
  • 人との食事は強く緊張してしまい食べられなくなる
  • 人と対すると顔が赤くなってしまう
  • 知らない人と会話するときは緊張で声がふるえてしまう
  • 人前に出ると何か恥をかいてしまうような気がする
  • 人に評価されることが怖い

など

社会・社交不安障害(SAD)
の治療

社会・社交不安障害(SAD)の治療では、抗不安薬や抗うつ薬を用いた薬物療法を行い、不安や恐怖を軽減します。また、認知行動療法などの心理療法を用いて、不安や恐怖に対する成功体験を積んでいくことで少しずつ不安や恐怖を和らげます。