ブレインフォグとは
ブレインフォグとは、まるで頭の中に霧がかかっているように、もやもやと覚醒や認知がはっきりとせず、情報処理や上手くできなくなったり、記憶力や集中力が低下したりする状態です。ブレインフォグはひとつの病気ではなく、このような症状の総称のようなものです。ブレインフォグが起こる原因は、ストレスや慢性疲労、栄養不足などが挙げられ、うつ病などの脳内の神経伝達物質の異常も関係すると考えられています。また、新型コロナウイルス感染症の後遺症として起こることがあります。ブレインフォグは、集中力や注意力が低下することにより、社会生活に支障をきたす可能性があるため、思い当たる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
ブレインフォグを起こす原因
ブレインフォグはホルモンバランスの変化や薬の副作用、新型コロナウイルス感染症などの何らかの感染症が原因となって起こるとされています。また、その他の原因として多いのは、脳の疲労です。特にスマートフォンやタブレット、パソコンなどの画面の見過ぎは、脳に大量の情報を処理させるため、脳を疲弊させ、ブレインフォグを起こすことがあります。
頭がもやもやするのはADHD?
ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは、注意力が散漫で、衝動的だったり、落ち着きがなかったりする特性を持つ発達障害で、ADHDの人は「頭の中がごちゃごちゃする」「計画が立てられない」「集中できない」などのブレインフォグに共通する症状が起こりやすいです。
ブレインフォグの原因となる
精神疾患・心療内科的疾患
- うつ病
- 睡眠障害(不眠症・過眠症)
- 適応障害
- 不安障害
- 慢性疲労症候群
- 月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD)
- 躁うつ病(双極性障害)
- 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- アルコールや薬物などの依存症
など
ブレインフォグの症状
- 頭がぼんやりして、集中できなくなった
- 物忘れの頻度が増えた
- 人との会話の途中でもぼーっとしてしまい集中できなくなった
- 仕事の手順が遅くなった、ミスが多くなった、できなくなった
- 周りの音が大きく感じるようになった
- 何に対してもやる気が出なくなった
- 気分が落ち込んでいることが多くなった
- なんとなくイライラするようになった
- いつも倦怠感を感じている
- なんとか出勤はしているが、ずっと体調がすぐれない
- 同時に複数のことが処理できなくなった
ブレインフォグの診断
ブレインフォグは症状のひとつで、病気ではないため、ブレインフォグと診断されることはありません。しかし、ブレインフォグは、ブレインフォグを引き起こすような、うつ病や躁うつ病(双極性障害)、アルコール依存症などの病気の診断において重要な症状となります。そのため、頭に霧がかかっているように感じることや、それによってどのような困難が生まれているかなど、医師にできるだけ細かく伝えることは正確な診断を行う上で重要です。
ブレインフォグの治療法
ブレインフォグは、今のところ原因が明らかにはなっていないため、現時点では、確立された治療法はありません。そのため、基本的には生活習慣の改善を行います。生活習慣の改善では、生活習慣を見直し、脳の疲労の要因になるようなストレス、睡眠不足、スマートフォン、タブレット、パソコンなどの画面の見過ぎなどを改善していきます。