- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)とは
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の原因
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)になりやすい人は?
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)のセルフチェック
- 喉に何か詰まったような感覚の原因となる病気・原因
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の検査・診断
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の治療
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)は自然に治る?
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)はどれくらいで治る?
- 咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の予防
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)とは
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)とは、喉に何かが詰まっているような感覚があるのに、直接的な病変が見つからない状態のことをいいます。喉は、口の奥から食道までの咽頭と、気管と咽頭を繋ぐ喉頭に分けられ、咽頭はさらに鼻の奥の上咽頭、口の奥の中咽頭、食道との境目の下咽頭に分けられます。咽喉頭異常感症は、ストレスや疲労などによる自律神経失調が原因となって、喉の筋肉が過剰に緊張することで起こると考えられています。発症は50代前後の女性に多いです。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の原因
咽喉頭異常感症は、原因を突き止めることが困難ですが、咽喉頭異常感症は、もともと仕事などで強いストレスを受けている方が、不安や疲労、緊張を強く感じたことで自覚するようになることが多いです。
なぜストレスが原因でヒステリー球が生じる?
ストレスを感じると自律神経のうち交感神経が活発になり、食道付近の筋肉が過剰に収縮することで、喉の異物感や圧迫感、不快感を引き起こすと考えられています。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)になりやすい人は?
- ストレスの発散が苦手な人
- 嫌なことを我慢してしまう人
これらの傾向がある人が咽喉頭異常感症を引き起こしやすいとされており、50代前後の女性に多く見られます。また、ほかにもストレスを感じたときに、食欲が落ちたりしてしまう方は咽喉頭異常感症による喉の違和感が生じやすいと考えられています。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)のセルフチェック
以下の項目に多く当てはまる、あるいは以下のような状態が続いている場合は、咽喉頭異常感症の疑いがあります。まずは一度受診しましょう。
- 喉に何かが詰まっている感じがする
- 薬を飲んだ後も喉に残っている感じがする
- 喉が腫れているような感じがする
- 呼吸がしづらい
- 水や食べ物を飲み込みにくい
- 喉がイガイガする
- 喉にチクチクとした痛みがある
- 首のあたりが締め付けられている感じがする
喉に何か詰まったような感覚の原因となる病気・原因
喉に炎症や腫れがある場合
風邪や扁桃炎、アレルギー反応、逆流性食道炎などにより、喉に炎症や腫れが起こっている場合があります。これらの場合は、喉の違和感だけでなく、発熱や咳などの症状を伴います。
喉に異物がある場合
食べ物や魚の骨などの異物が喉に引っかかっていると、喉に違和感を覚えることがあります。違和感や痛みが続くときは、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
心理的な要因が関係している場合
ストレスや不安、抑うつなどを感じており、喉に直接的な病変が無い場合は、咽喉頭異常感症の可能性があります。この場合は、心療内科や精神科のカウンセリングや、リラックス法、漢方薬などで改善することがあります。
喉頭がんや食道がんなどの悪性腫瘍の場合
咽頭がんや食道がんの初期症状として、喉の奥の違和感が現れることがあります。喉の奥の違和感が長く続いている場合や、声のかすれや喀血の症状を伴う場合は、早めに耳鼻咽喉科や消化器内科を受診しましょう。がんは早期発見、早期治療が重要です。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の検査・診断
精神科や心療内科で扱う咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の検査・診断では
- 喉から胸にかけて何らかの違和感や不快感がある
- 違和感の原因を調べても身体に異常は見つからない
- その違和感が原因で、生活や精神状態に支障をきたしている
の3つの要素が必要となります。
必要に応じて消化器内科などで、経鼻内視鏡検査を行い、下咽頭や喉頭を観察します。
また、内視鏡の先端を用いて、粘膜を刺激し、飲み込みや咳などの反射が上手く起こるかを確認し腫瘍や麻痺が無いかを検査します。
喉に違和感を起こす原因は、咽喉頭異常感症のほかに、逆流性食道炎や鼻づまりによる口の乾き、副鼻腔炎による鼻水、扁桃の腫れ、アレルギーによるかゆみなどが多いのでそれらの病気を否定する必要があります。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の治療
咽喉頭異常感症の治療では、不安やストレスを低減させたり、気持ちを安定させる薬や漢方薬を処方します。喉の違和感は、逆流性食道炎や副鼻腔炎、アレルギーなどが原因となっていることもあるため、その場合は、これらの治療を行います。鼻や喉の乾燥は、喉の違和感を悪化させるため、適度に水を飲み、空気が乾燥している場合は加湿したりマスクを着用するなどしましょう。また喫煙や飲酒も控えましょう。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)は自然に治る?
咽喉頭異常感症は、通常、数時間や数日で自然に治るため、心配する必要はありませんが、1週間以上持続する場合や、食事をとると違和感が強くなるような場合は、一度病院を受診しましょう。また、抗不安薬や漢方薬などの内服薬で症状が改善しない場合は、耳鼻科や内視鏡科などで検査を受けましょう。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)はどれくらいで治る?
咽喉頭異常感症は、心理的な要因によるため、治療期間は個人差が大きく、症状が治るまでに数日から数ヵ月かかることもあります。
できるだけ早く治すためにできる事
- 喉に負担をかけないようにする
- 過度に声を出さない、咳払いを控える
- 喉の乾燥を避ける、刺激物を避ける
- 十分に水分を補給する
- 睡眠を十分にとる
- 睡眠時間を確保する、快適な寝具や枕を使う
- ストレスを解消する
- 趣味や運動などでリフレッシュする
- 呼吸法やヨガなどでリラックスする
- 友人や家族と話す
- 違和感に過剰に反応しない、気にしない
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)の予防
咽喉頭異常感症はストレスや疲労が原因となると考えられているため、咽喉頭異常感症の予防のためには、ストレスをため込まず、解消することが重要です。また、鼻や喉の乾燥が喉の違和感の原因となっていることもあるため、こまめな水分補給や、空気が乾燥している場合は、加湿したり、マスクをするなどの対策をしましょう。また喫煙や飲酒も控えましょう。